CS-HG-800-11とWH-RS770の衝撃

CX ROAD EC
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R8000 系アルテグラが発表された。

概ね R9000 系デュラエースと同様のモデルチェンジであり、コスパに優れた油圧コンポが出て、9001 系のようなマイナーチェンジも今のところ存在せず、ノンサプライズの発表だった…「アルテグラ」については。

同時にワイドカセットの CS-HG-800 とディスクロード用ホイール WH-RS770 が発表された。この 2 点、実は今回の発表で最も注目すべき製品。

CS-HG-800 の何がすごいのか

一見して、11-34T のオールロード向けスプロケットに見えるこいつ、実は MTB ホイールのフリーに装着することが可能。

シマノ USA

のサイトには下記のように書かれている。

With the addition of the new 11-34T CS-HG800-11 cassette, ULTEGRA further expands gearing options for riders of any terrain. Designed to fit both MTB- and road-specific (with spacer) wheelsets, mixed terrain riders are provided with more wheelset options than ever before.

おそらく、この点がアルテグラではなくグループ外の型番を当てられている理由だと思われる。そして、MTB のフリーボディはロード 10s カセットスプロケットを装着できる

言わずもがな、HG800 は 11s であるため、実質的に巷で流通している 10s フリーコンパチ 11s スプロケットとしての役割を持っている。

軽い軽いギア比と RD のキャパシティさえ許容できれば、10s 時代の機材をまだまだ継続運用することができるというわけだ。

もう一つ、ディスクブレーキの CX バイクを使っている人たちにもこのスプロケットは救いの光となる。

ディスクロード以上にハブ規格が混沌とした CX では、現役で 15mmTA+リア QR というフレームが生存しているが、ディスクロードの規格が前後 12mmTA になってしまったことでロードホイールの供給が完全に絶たれている。

10s 時代は、非推奨ではあるものの 29er ホイールを流用すれば問題なかったが、ロード 11s で運用できないため、RD-6770 を何個もストックしている人を伝え聞いている。

だが、HG800 を利用すれば29er ホイールを流用したままロード 11s の機材を利用することが可能となる。みんな大好き WH-M785 がまだまだ使えるよやったね!

CX ならば、フロントギアを調整することでギア比が軽くなるデメリットも簡単に帳消しにすることができる。40T とか 42T とかをシングルギアで運用すれば対応できるスピード域も増えて万々歳だ。

おそらくアメリカをメインにユーザーが多い、マウンテン規格を使っているグラベルロードの救済だと思うのだが、日本国内では CXer の方が恩恵を受けることになるだろう。

WH-RS770 はディスクロードホイールのベンチマーク

ディスクロードのホイールは種類が少なく、重量も余りこなれていなかった。

今までベンチマークとして存在していた DT Swiss R23 Spline DB は定価 670 ドルで 1655g。

対してシマノのハイグレードだった WH-RX830 は 1841g という重さ…勝負になっていない。

DT の完組は実質海外通販だよりなので実売 6 万円程度。国内流通は調べた限りあんまり…である。

だが、今回リリースされた RS770 は1639gかつ国内流通バッチリ。定価ベースだとハッキリ言って高いが、実売はまぁ R23 よりちょっと高い程度に収まっている。シマノハブは思いからリムは R23 より軽い…かもしれない。

こいつは手持ちの GIANT のカーボンクリンチャーホイールとさして変わらない重量なので、ディスクロード用ホイールのアップグレード代が一気に安くなったと言える。

着々とディスクロード普及への足固めが進んでますね!