ベストではなくベターなホビーライダーの機材選び

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この記事はロードバイクアドベントカレンダー23日目の記事です。

機材選定について

パーツを買うとき、何を考えて買っていますか?

見た目?重量?見た目?ブランド統一?

どれも重要ですが、もしパーツを「ライド/レースのための機材」として買う場合にどんなことを考えるべきなのか?安定稼働という観点から考えてみます。
個人的な意見ですが、どんなにパフォーマンスが高くても信頼性の無い機材については重要なレース・イベントには投入できません。

ましてや、筆者が好んでいるシクロクロスは毎週レースがあるため、半年間安定稼働することは必須と言えます。ランドヌールの場合は、ブルベ中に故障しないことが重要と言えるでしょう。

信頼性

シンプルな故障しづらさ、初期故障の少なさ、タイヤであればパンク耐性が考慮されます。

可用性

故障しづらさに、故障時の復帰力を加味して判断します。

部品の入手性(値段込み)と規格の普及度などがこの項目に関連します。例えば専用シートポストなどは、破損時に交換品を手配するのは中々面倒でしょう。
また、シクロクロスのあるあるメンテナンスにリアエンドの交換という項目があります。余り意識されませんが、ブランドによってリアエンドの値段は大きな差があります。

某ヨーロッパブランドのリアエンドは3000から4500円もしますが、GIANTのリアエンドは一律1200円です。そのうえモデル間で互換性が高いため、大抵の場合は店にストックが置いてあります。
マイナーブランドやあまり工業生産に重きを置いていないブランドと大きく差がつく項目です。
パーツでは、主流の規格やブランド独自規格を採用していないことが重要になります。

ラテックスチューブや装着の甘いチューブレスタイヤは、ライド前に空気圧を毎回調整する羽目になるので可用性はやや低いと言えるでしょう。時間面で見れば大したことはありませんが心理的な可用性は低くなります。個人的には。

可用性は、自宅の作業環境で向上させることも可能です。
シマノコンポであれば、SM-PCE1圧入 BB 工具類を準備することで、それぞれDi2や圧入BBの交換を自分で行うことができ、復帰時間を最小化できます。

保守性

保守性については2つの派閥があると考えています。「修理性」と「交換性」です。

シマノのBBは安いので不具合が起きたら捨ててまるごと交換可能です。クリスキングの BBは簡単にグリスの交換が行なえますが、グリスガンとBB本体が両方高価です。
カンパニョーロやスラムの補修部品は、(入手性に目を瞑れば)かなり細かいパーツも交換可能ですが、シマノはかなりユニット化されており実質まるごと交換になることも多くあります。

どちらのほうが優れているかは、完全に個人の嗜好によるものになると思います。私は何かしらの不具合が起きたパーツはそのうち別の不具合も起こすため、まるごと交換する派ですので、シマノコンポを積極的に選んでいます。シマノサービスサイトでほぼすべての作業マニュアルが閲覧できるという点も大きく、最新の互換表もすぐに手に入るため迷うことはほぼありません。

番外編:冗長性

IT業界ではこの言葉が出てくると、大雑把に2系統のシステムを同時に利用して片方が死んでももう片方でシステム利用を続行できる状態を指します。
自転車は同時に2台使えないのであまりこの発想は出てきませんが、例外的にシクロクロスのレース中とフロントシングルDi2の場合はこの概念を適用可能です。

フロントシングルの場合、Di2の左側…つまりフロント側の変速は任意の操作を割り当てることができます。eTap風に左右でシフトダウン・アップを分けてもいいのですが、右レバーと同じ様に左レバーでもリアのシフトダウン・アップをできるようにすると、片方のレバーが壊れたりDi2コネクタが外れたりした場合でも、変速は問題なく行うことができます。TTバーの変速ボタンでも同じことができそうですね。

また、シクロクロスのレース中、1台が壊れてもピットで全く同じ構成のサブバイクを用意するという行為は、トップレーサーで当たり前に行われています。まさしく冗長構成です

まとめ

以上の項目を総合的に判断して、乗れる状態の自転車なるべく長い時間維持するための機材選びをしています。

絶対性能の高いUFO ドリップビッグプーリー超軽量タイヤなどは一発の勝負時には使えるかもしれませんが、自分は上記の理由を考慮して一切使っていません。

8割の性能を常に使えることを目指しているため、マスプロメーカーにシマノコンポ、ホイールはシマノハブかDTハブに適当なリムの組み合わせになって面白みはありませんが、走ることに集中できる機材選びだと思います。
もちろん、機材の趣味性が大事という考えもありますので、自分の自転車ライフを豊かにすることを意識して、たまに上記の概念を思い出していただければ幸いです。


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