2022年シマノシューズ新モデル RX6(SH-RX600)レビュー
ペダリング効率を追求したSPDシューズ RXシリーズ
ロードシューズの軽量性を備えたSPDシューズは、ロングライダーやグラベルレーサーに取って長年の希望だった。
グラベルライドの隆盛に伴い、フラッグシップモデルとしてリリースした**SH-RX800(RX8)シューズは、ロードシューズ最上級レベルの剛性を持ちつつ、SPDクリートに対応して、軽量なモデル**として話題になった。愛用者も多いだろう。
唯一の欠点はフラッグシップモデルならではの価格だったが、2022年にミドルグレードのSH-RX600(RX6)シューズが登場。コストパフォーマンスを求めていた自分は好みのカラーがあったこともあり即購入してしまった。
スペック
製品ページがまだ存在しないので、シクロワイアードの記事から引用させてもらう。
- カーボン強化ナイロンソールを採用。剛性指数も8(RX8は10)
- ウォークパッドも幅広かつ耐久性に優れたポリウレタン素材を採用。ソールを覆う面積も増加
- 重量は274gとRX8比で9gの差
RX8ほどではないが、オンロードやグラベルなどの下車が少ないシチュエーションで使うシューズとしての要点は抑えている。
ロードシューズと違って歩行を考慮していることがRXシリーズを欲しがる人のポイントだろう。
実物確認
実物は確かに軽い。オンロードとシクロクロスでXCシリーズを使い倒していた身としては久々の軽量感だ。
クリート位置のマークが細かくなっているのも若干うれしい。
XCシリーズとの比較
XCシリーズとの違いは、ソールの素材とスパイクピンの有無。
軽量なのでシクロクロスにいいのでは?と思われるかもしれないが、シクロクロスでは泥レースでピンが必須になるのでRXシリーズは向かないだろう。
XC5とソール面を比較すると、ソールのグリップ感や高さなどが異なることがわかるだろう。
RX6の方が細く高いグリップ面になっており、泥はけもあまり考えらえていない(そもそも通気性を高めるための穴もある)
XC5は1世代前のMichelinソール採用モデルで、降りて走ってもソールが剥がれたりすることはない頑丈なものになっている。
サラウンドラップ構造の変化
シマノシューズの特徴である、Boaダイヤルで締め付ける非対称アッパー。正式名称はサラウンドラッピング構造というのだが、ここの構造に変化があった。
これまで、XC5を初めとするベルクロ+Boaシステムのアッパーには、固定なのか型作りのためなのか、内部にゴム紐が縫い付けられていた。
RX6ではこのゴム紐が取り払われている。
正直、履くときに面倒だったのでありがたい。というか、薄々不要ではないかと思っていたところだったので、これに気が付いた後XC5のゴム紐も切り取ってしまった。
ライドレビュー
早速、クリートを調整してグラベルを含む峠ライド100kmを行った。
シマノらしくない、いかにもオフロードで使いますというカラーリングも履いてみると悪くない。
残念ながらシューズの剛性を感じられるほど、感度が高くないのでペダリング効率については分からない。ただ、XC5と同じようなアッパー構造とソール構造をしているだけあって、違和感なく履き替えられた点は非常に良かった。
クリート位置もほぼ同じ設定で違和感なし。シマノはモデルごとに若干の足型の差があり、試着しないことにはフィット感が分からないことも多いが前世代XC5とは概ね同じ足形だったのだろう。
一番良かったのは、サイドのソールが高いのかクリート歩行時のガリガリ音が小さいこと。地味にストレスなので助かる。
「買い」か?
実は、Amazonで上位モデルのRX8は安売り常連。
カラーはホワイト(ほぼシルバー)とブラックの二択。
個人的にはホワイトシューズは好みなのだが、RX8のホワイトはシルバー気味で、自分の好みと若干異なることから見送っていた。
RX6はブラック・グリーンの2色。ソールとのツートンも良い感じなのでグリーンを今回はチョイスした。
海外にはブラウンカラーもあり、なかなか好みだったのだが無いものは仕方がない。
最大のペダリング効率にこだわりがあるならRX8、コストパフォーマンスとカラーリングではRX6に分があるといったところか。